野村萬斎さんの狂言を観に行ってきました。
初めて狂言を観たキッカケは、野村萬斎さんのファンだからという理由だけです。
ところが狂言が思った以上に面白く、毎年1回は観ています。
この記事は狂言をまだ観たことがない人に向けて書きました。
狂言って難しそうだけど、理解できるの?とか
狂言に興味があるけど予備知識がなくても面白さがわかるの?
という疑問に答えています。
もくじ
1.狂言ってなに?
2.観る前にしておくこと
3.狂言の魅力
4.狂言はこんな人にオススメ
1.狂言ってなに?
狂言は今から650年ほど前の室町時代に誕生した芸能といわれています。
セリフを中心とした喜劇で、わかりやすく言うと「お笑い劇」なんです。
舞台セットはたいへんシンプルです。
特別なセットは、ほとんど何もないです。
ただのステージでも成立してしまいます。
ホントに演者さんの技ひとつで成立してしまいます。
1演目の時間はだいたい30分程度
今回は2演目で5000円の入場料でした。
2.観る前にしておくこと
パンフレットには、演目のあらすじと語句説明が記されてます。
まずはあらすじに目を通します。
その後は語句説明を読み、可能な限り覚えます。
これをすることにより、ストーリー展開と古語の意味がだいたいわかるようになります。
あらすじを観てしまったら、オチがわかってしまうのではないか?
と思うかもしれませんが、心配いりません。
しっかりと笑わせてくれます。
語句説明もすべて覚える必要はないですが、ひとつでも多く理解していると
それだけ狂言に入り込めるので頑張って覚えましょう!
狂言ではだいたい開場から開演まで30分程度時間があります。
入場の際にパンフレットを受け取りますので、十分な時間があります。
また演目と演目の間に、15分ほどの休憩がありますので
トイレに行ったり、次の演目の語句に目を通したりする余裕があります。
僕はこれまで、野村萬斎さんの狂言しか観たことがないですが
1本目の演目が始まる前には必ず野村萬斎さんが、ステージに立ちます。
そして、初めて観る人のためにカンタンな説明をしてくれるんです。
どんな説明かというと、こういう動作はこういう意味ですとか、
この演目はここが見所です、などの予備知識です。
この説明を聞くと初めて狂言を観た人でも戸惑うことなく
観劇することが出来ます。
3.狂言の魅力
やはり一番はお笑いの部分ですね!
それも時代とともに廃れるお笑いではなく、いつになっても
思わず笑ってしまうお笑いです。
狂言は貴族のための娯楽ではなく、非常に庶民的な娯楽です。
肩肘張らずにリラックスして観劇出来ます。
舞台セットはほとんど何もないといって良いぐらいシンプルです。
しかし何もない舞台で、あたかも見事な庭が広がり奇麗な梅の花が咲いている、と錯覚させられるほどの情景が目に浮かんでくるのは。狂言の演技力では
ないでしょうか?
これぞプロの演技と感じ入ってしまいます。
また人間国宝と言われている方の演技を、ライブで観るとやはり違います。
ちょっとした間であったり、所作であったり、笑いの引き出し方であったり、、、
今回も88才と高齢の人間国宝 野村万作さんの演技にしっかり笑わせてもらいました。
あと知的で上品そうなお客さんが多いです。
着物をお召しになった奇麗な女性もいらっしゃいます。
4.狂言はこんな人にオススメ
笑うことはストレス解消になり健康にも良いと言われています。
しかし最近のテレビで見られるお笑い番組は、けっこう下品なものが多いので
ほとんど見ないという方もいらっしゃいます。
しかし狂言は、流行廃りのないお笑いですので、テレビのお笑いをみない方でも楽しめます。
またお笑いであっても下品さはみじんもないので、どんな方でも受け入れられます。
もしあなたの住んでいる近くで狂言が行われるなら、ぜひとも一度観てください。
きっと狂言が特別な古典芸能ではなく、いつの時代でも観る人を和ませてくれる伝統芸能だということがわかります。
狂言師・野村万作が選んだ、後世に残したい演目、奇想天外な「茸」、愉快な「末広がり」、「三番叟」の3演目を収録した作品。
人気狂言ガイドブックの増補改訂版。狂言についての「?」を野村萬斎がQ&Aで答える。