「見えないものが見える川」と呼ばれ、源流から河口まで完璧に透き通る川
淡水と海水がつくるゆらゆらした蜃気楼のような境界を、あなたは見たことがありますか?
今週の日曜日、ついにNHKスペシャルで「見えないものが見える川 奇跡の清流 銚子川」が放送される。
これを機会に、日本中の人にこんな川があることを知ってもらいたいし、ぜひ遊びにきてほしい。
銚子川は三重県南部の紀北町を流れている川で、日本有数の原生林が残る大台ヶ原を源とし、熊野灘へと注いでいる。
大台ヶ原は、屋久島と並ぶ日本で最も雨の多い地域。年間平均降水量は5,000mmである。
源流部の標高は約1600m、そこから一気に約17km、ほとんど山間部を流れている。
奇跡の川とよばれる銚子川の魅力は、まずその透明度にある。
源流から河口までの間には、岩盤層が広がり、砂や泥が見あたらない。
まるでラムネのような水色をしており、川底の石ころ一つ一つがクッキリと確認出来る。
さらに深場になると、エメラルドグリーンにかわる。
水の中は、まるで水族館の水槽の中を見ているかのごとく。
水中メガネをつけて、水面から半分ほど顔をだすと、真っ青な青空と深い緑の山が飛び込んでくる。
そして下半分は、どこまでも透き通る銚子川とサカナたちがクッキリと見られる。これぞ自然満載の銚子川の醍醐味!
支流の又口川には、様々な奇岩巨石と水と緑が織りなす渓谷がある。魚跳渓とよばれているその場所は、アユやあまごが跳びかうようすが見えることから、そのような名前がついた。
また河口部の汽水域では、海に向かう川の水と海から満ちてくる海の水が層をなしている。河口も透き通っていて、海水と淡水が交ざりあう様子が手に取るように見られる。
海水と淡水では比重の関係で海水が下層にくるが、目に見える塩水層は上からや、水中から見ると、ゆらゆらと揺らいでいるように見える。
ゆらゆら具合はこんな感じ
そこから、「ゆらゆら帯」と言われるようになった。
この「ゆらゆら帯」の名付け親は、俳優で川遊びが大好きな中本賢さん。
さて、この銚子川はなぜこれほどまでに綺麗なのか?
まずは降水量豊富な吉野熊野国立公園が源流であること。
そして標高1,600mからいっきに河口まで17kmの間、ほとんど山間部を流れている。
下流には人里もあるが、人口が少ないため、高い透明度を誇ったまま熊野灘に注ぎ込む。
また源流から河口部まで岩盤層に覆われており、大台ケ原にどれだけ大雨が降っても川が濁らない。
そんな素敵な銚子川、見てみたくなりませんか?
今回の放送をきっかけに、ぜひ多くの人たちにこの銚子川と触れあってもらい、自然の豊かさを感じてもらいたい。
番組にも出演した水中写真家 内山りゅうさんの銚子川写真集
銚子川にはキャンプinn海山という大人気の施設があるよ
また近くには、熊野古道の馬越峠や尾鷲や紀北町を一望出来るビューポイント、便石山の象の背
久しぶりの登山?トレッキング?
で便石山。
かの有名な象の背より pic.twitter.com/HCVYrxB9yV— りょうすた (@ryousuta1) November 11, 2018
気候の穏やかな時はハイキングに最適
さらに南下すると、日本一の棚田景観といわれる丸山千枚田
日本書紀にも記されている日本最古である花の窟神社
そして高さ・水量ともに日本一の那智の滝などなど見所がいっぱい
そんな魅力いっぱいの東紀州で、あなたのことを待ってるよ!
後日行われた内山りゅう氏の講演「奇跡の清流 銚子川」はこちらから