大泉洋主演の「こんな夜更けにバナナかよ」を観てきた。
妻に誘われて行ったのだけど、正直なところあまり期待していなかった。
そして映画冒頭でも、障害者である主役が、言いたい放題のワガママぶり
こりゃ外したかな~と思って居たのだが、ジワジワと大泉洋演じる鹿野と、鹿野を支える鹿野ボラ(鹿野ボランティアの略)の人間ドラマに引き込まれていった。
派手さはないけれど、心温まるヒューマンドラマ
かといって、鹿野と鹿野ボラの関係は純粋無垢で美しいといったものではなく、人間くさいドロドロとした部分がほとんどで、それが本作をよりリアルで共感できる作品にしている。
目次【本記事の内容】
- 1.『こんな夜更けにバナナかよ』総合評価
- 2.『こんな夜更けにバナナかよ』の、ここが良かった
- 3.『こんな夜更けにバナナかよ』の印象に残ったセリフ・シーン
- 4.『こんな夜更けにバナナかよ』は、こんな人にオススメ
- 5.『こんな夜更けにバナナかよ』の原作紹介
『こんな夜更けにバナナかよ』総合評価
評価 4.0
【タイトル】こんな夜更けにバナナかよ
【原作】渡辺一史
【監督】前田哲
【キャスト】大泉洋、高畑充希、三浦春馬、萩原聖人、渡辺真起子、宇野祥平、韓英恵、竜雷太、綾戸智恵、佐藤浩一、原田美枝子ほか
・「こんな夜更けにバナナかよ」のあらすじ 公式サイトより引用
北海道札幌市。鹿野靖明(大泉洋)は幼い頃より難病の筋ジストロフィーを患い、34歳になる今では体で動かせるのが首と手だけ。
24時間365日だれかの介助がないと生きていけない体にも関わらず、医師の反対を押し切って病院を飛び出し、市内のケア付き住宅で自ら集めた大勢のボラ(ボランティアの略称)に囲まれ、自立生活を送っている。
わがままで、ずうずうしくて、ほれっぽくて、よくしゃべって…!夜中に突然「バナナ食べたい」と言い出したりする自由すぎる男・鹿野を介助するボラは、彼と付き合いの長いベテランから、新人の大学生まで人さまざま。その一人、医大生の田中(三浦春馬)はいつも鹿野に振り回される日々。
ある日たまたま鹿野宅を訪れた田中の恋人・美咲(高畑充希)まで新人ボラに勘違いされてしまう。
おまけに鹿野は美咲に一目惚れしてしまい、田中は彼の代わりに愛の告白まで頼まれる始末…!
最初は戸惑う美咲だが、鹿野やボラたちと共に時間を過ごす内に、自分に素直になること、夢を追うことの大切さを知っていく。ところが鹿野が突然倒れ、命の危機を迎えてしまう…。
「こんな夜更けにバナナかよ」の、ここが良かった
口が悪く、わがまま放題で、まるで王様の様にふるまう鹿野を見て「あんたなに様?」と思ったんだけど、
なぜそのように振る舞うかの持論を鹿野が語ったとき、なるほどなと納得させられた。
介護されているから縮こまって、言いたいことも言えないのは違うんじゃないか?という鹿野論
すべての障害者に当てはまるわけではないけど、
日本における障害者と欧米の障害者では、メンタリティーや社会的位置づけが違うよなー、と改めて気づかされた。
そういう意味で鹿野は、まるで欧米の障害者メンタリティーの様な方である。
あと、障害者の性の部分や恋愛についても触れていて、それがストーリーをよりリアルに感じられた。
「こんな夜更けにバナナかよ」の印象に残ったセリフ・シーン
「鹿野ボラ、なめんなよー!」
鹿野の様態が悪化して入院命令が下された時に、美咲を演じる高畑充希が、鹿野の主治医にタンカを切ったセリフ。
寸前まで鹿野ボラが意気消沈していたんだけど、このセリフをキッカケに鹿野ボラのヤル氣に火が付いた。
個人的には「こんな夜更けにバナナかよ」で一番の名セリフだと思う。
名シーンはいくつかあるんだけど、北海道の自然と鹿野の、のんびりとして雄大さを感じる「北海道弁」が見事にマッチしていた。
また、鹿野が綾戸智恵演じる実の母(鹿野光枝)に、なぜ辛くあたるのかがわかった時に、泣けてきた・・・(T_T)
「こんな夜更けにバナナかよ」は、こんな人にオススメ
・苦い状況におかれ毎日が憂鬱な人
・健康を害して不自由な生活を送っている人
・自分や身近な人に、介護者や介助者がいる人
に観てもらいたい。
もちろん何不自由なく生活している人にもオススメ
自分の力で歩いたり、自分の力で呼吸が出来ることが
どれだけ恵まれた事かを、あらためて感じられる。
明石家さんまの、「生きてるだけで丸儲け~」
というフレーズが湧き上がってきた。
「こんな夜更けにバナナかよ」の原作紹介
「こんな夜更けにバナナかよ」は実話であり書籍化されている。
amazonのレビューでも、4.6と高評価
映画を観てから読んでも、本を読んでからの映画でも
どちらでも楽しめる